フリーライターの森岡葉のブログです。 大好きな音楽のこと、日々の出会い、楽しかったこと、美味しかったもののことなどを書いていきたいと思います。



   
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jasminium

Author:jasminium
1956年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1975年~76年北京語言学院・北京大学歴史系に留学。音楽ジャーナリスト。2009年第53回ブゾーニ国際ピアノコンクールにプレス審査員として招かれたほか、ハエン国際ピアノコンクール、シドニー国際ピアノコンクール、中国国際ピアノコンクールなどにジャーナリストとして招かれている。著書:『望郷のマズルカ~激動の中国現代史を生きたピアニスト フー・ツォン』(ショパン)、『知っているようで知らないエレクトーンおもしろ雑学事典』(共著)(ヤマハミュージックメディア)、訳書:『ピアニストが語る! 現代の世界的ピアニストたちとの対話』(焦元溥著 アルファベータブックス)、『音符ではなく、音楽を! 現代の世界的ピアニストたちとの対話 第2巻』(焦元溥著 アルファベータブックス)

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上海旅日記③

   
7月30日(3日目)

 私と久米井さんが上海に行くとお知らせしたら、『楽人の都・上海-近代中国における西洋音楽の受容-』(研文出版)『上海オーケストラ物語』(春秋社)などの著者の榎本泰子さんから、現在執筆している本のためにバンド(外灘)の写真を撮ってきてほしいと頼まれました。昨年の秋にご自身で取材と写真撮影に行かれたときは、あっちもこっちも工事中、おまけにお天気も悪く、よい写真が撮れなかったとのこと。
 日頃お世話になっているご恩返しができればと勇んで出かけたものの、植民地時代の建物が建ち並ぶバンド周辺は、相変わらず工事中で、お天気も悪く写真が撮れるような状態ではありません。黄浦江の対岸の浦東側からバンドの写真を撮ったらいいかもしれないと、地下鉄に乗って陸家嘴へ。
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 植民地時代の面影が残るバンドの対岸の東方明珠タワー(テレビ塔)は、新しい上海のシンボル。すぐ近くから見上げて撮りました。それにしても、上海に来てから一度も青空を見ていない。
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 黄浦江沿いの遊歩道を目指して歩いていると、「昆虫館」なるものが出現。東方明珠タワー周辺は、観光・遊覧スポットで、水族館などいろいろな施設があるんです。でも、どうして「昆虫館」の入り口にキリンがいるのでしょう。ちょっとおもしろいので一緒に写真を撮りました。
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 うーん、腕が悪いこともあるけれど、あまりいい写真は撮れない。雨もひどくなってきたので、上海音楽学院の近くの本屋さんに行くことにしました。運よくタクシーが拾えて(上海はタクシー料金が安いので、雨の日や夕方はなかなか拾えないのです)、ラッキー 復興隧道を通って浦西に戻りました。

 本屋さんで本を探すのは、けっこう体力が必要。ということで、まずエネルギー補給。上海音楽学院の近くの飲茶のレストランでお昼を食べることにしました。
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 海鮮粥、ワンタン麺、叉焼包、小籠包、海老水晶餃子、牛肉丸子、大根餅などなど食べ放題でひとり700円くらい。陸家嘴を歩き回り、雨にもぬれてちょっとテンションが下がっていた私たち。お料理を見たとたんに元気が出て、パクつきました。食べている間に雨が止むといいね~などと言いながら…。

 で、本当に雨は一旦小降りになったんです。やっぱり私たちはツイてるわ~、なんて言ってレストランを出ようとしたとき、突然雷が鳴って雨が激しく降り出しました。それはもうすごい雨で、とてもこの中を歩く気はしないと、30分ほど雨宿りしていたのですが、雨はますます激しくなるばかり。時間がもったいない、仕方がない歩こうと意を決して外へ。わぁー、数百メートル先の本屋さんに行くのが、こんなに大変だったとは…。傘をさしても雨と風で全身ずぶ濡れ、パンツがビショビショになって重い~ 道路が川のようになって歩道にも水があふれ、靴の中にも泥水が入ってくる。というか、足が常に水に浸かっている状態。うぇーん、何がラッキーだ、何がツイているわだと、先ほどまでの自分たちを呪いながら(大げさ!)、やっとのことで本屋さんにたどり着きました。

 旧知の本屋さんの店員さんたちは親切に私たちを迎えてくれ、全身ずぶ濡れで気持ち悪かったけれど、本や資料、楽譜などをゆっくり探しました。参考になりそうな本があれこれ見つかり、買い込んだところかなりの重さに。5~6キロはあったと思います。それを濡れないように、ビニール袋で厳重に包んで担ぎ、傘をさして上海音楽学院へ。雨はだいぶ小降りになっていたものの、運命の過酷さを恨みたくなりました(またまた大げさ!)。中国では、見つけた本は買えるときに買っておかないと、次回あるとは限らないので、つい頑張ってしまうのです。

 音楽学院の周先生の研究室に荷物を置かせていただいて、雨が上がるのを待って附属中学の写真を撮りに行きました。大学の校舎から少し離れたところにある附属中学周辺は、戦前の上海の大財閥や軍閥たちの邸宅があったところ。附属中学の敷地には、なんと蒋介石と宋美齢が新婚時代に暮らした英国風の邸宅があるのです。
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 当時、南京の国民党政府で執務していた蒋介石の上海での別邸、「愛廬」と呼ばれたそうです。宋美齢との愛の巣ということですね 上海音楽学院の天才少女、少年たちはここで学んでいるわけです。208_convert_20090804144055.jpg217_convert_20090804143608.jpg
 まだ、雨がけっこう降っています。222_convert_20090804150535.jpg224_convert_20090804151214.jpg223_convert_20090804150731.jpg231_convert_20090804150129.jpg
 ちょうどこの日は、夏休み中の附属中学の校舎で、全国統一のグレード試験(考級)が行われていました。グレード試験のテキストを売る出店の垂れ幕には「琴童」の文字が。ピアノを習っている子どもたちのことを「琴童」といいます。第二のラン・ランを目指して中国全土にどれだけ多くの「琴童」がいるのでしょう。

 雨が上がり始めた上海の旧租界のプラタナスの並木道をブラブラ歩いて、周先生の研究室に荷物を取りに行ったのですが、久米井さんが「私たち、朝はこの状態だったんですよね」と一言。そう、重い荷物もなく、大雨も降っていない状態、それが当たり前だと思っていた私たち。何て幸せだったのでしょう(またもや大げさ!)。人間って、当たり前の幸せに気がつかないものなのですね。不自由になってみてはじめて気がつく

 途中で靴屋さんに寄って、夏のバーゲンで超お買い得になっている可愛い靴をゲット。ビショビショになった靴を履き替えなければ これですっかりハッピーに。喉元過ぎれば…と言うけれど、私って懲りない人間なんだわ。

 タクシーをつかまえてホテルに戻り、夜は私の大切な友人チュウ・レイ(朱磊 Zhu Lei)と食事。彼は1974年生まれ、まだとても若いのですが、すでに上海音楽学院の教授で、現代器楽・打楽器科の主任。中国有数の音楽大学でひとつの学部を任されているわけです。専門は、電子オルガン。10数年前、日本で開催されたインターナショナルエレクトーンコンクールに中国からの初めての参加者として出場し、みごと第2位を獲得。シルクロードをイメージした幻想的なオリジナル曲、目にもとまらぬ同音連打の超絶技巧を披露した即興演奏のすばらしさは、今でも日本の電子オルガン界で語り継がれています。
 近年は、中国での電子オルガンの普及と上海音楽学院の中でのジャズやコンテンポラリー音楽の発展のために精力的に活動しています。とっても忙しい彼と会うのは無理かなと思ったのですが、ちょうどこの日に南京での講座を終えて新幹線で上海に戻ると言うので、私たちのホテルから近い上海大劇院(上海グランドシアター)の前で待ち合わせをしました。
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 雨上がりの上海大劇院。あの恐ろしい豪雨がウソのような夕日が…。写真を撮っていたら、チュウ・レイがニコニコ笑ってやってきました。上海駅から地下鉄に乗って来たそうです。夕方の時間はそれが一番便利です。すぐ近くのビルの中にある杭州料理のレストランに行きました。
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はい、上海最後の夜も美味しいものいっぱいです。
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「馬蘭豆」「酔鶏」は江南料理の前菜の定番。そのほかに茄子の揚げ浸しのようなお料理を頼んでみました。「蟹肉豆腐」、おコゲ料理など、美味しそうでしょ?
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 私が特別にリクエストしたのは、「羊腱」、羊の脚です。日本では食べられないので。
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 ビニール手袋をして手づかみでかぶりつきました。
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 デザートは、大根パイと大福餅の中に苺ジャムと生クリームが入っているようなお菓子。美味しかった~

 チュウ・レイと、生誕50周年を迎えた日本のエレクトーン界のこと、中国での電子オルガンの普及などについて本音で語り合うことができたことも収穫でした。このところ、中国での電子オルガンの普及や上海音楽学院での仕事が忙しく、演奏家としての活動ができなかった彼。来年はコンサート・ツアーをやると力強く言ってくれたことも嬉しかったです。

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 ホテルに戻った私と久米井さん。お揃いの靴、可愛いでしょ? 彼女と私の年齢は12歳、干支で一回り違います。同じサル年。ニュウニュウ(牛牛)ではないけれど、ホウホウ(猴猴)です。老猿ですが、まだまだ頑張りますよ

 上海旅日記、これでおしまいです。


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お世話になりました!
楽しかったですね
豪雨にあったのも、重い荷物に泣いたのも、今はいい思い出です
朱レイさん、すてきな人でした
充実したすばらしい旅をご一緒できてうれしかったです!ありがとうございます^^
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Re: タイトルなし
> 上海旅日記�-土砂降りの中 走り回ってる様子 こちらまでずぶ濡れになった気分 ケロッとしてお帰りなさい! 頭の出来は違うと思っていたけど身体も違いました! ひょっとしたら このコメント届くかも、、
我ながら元気だなぁと思います。中国に行くと、元気になるみたい。
上海万博が終わった頃、皆で上海に遊びに行きませんか?
その頃には街もきれいになって落ち着いていると思うので。
Re: お世話になりました!
最後にご紹介した朱磊が、一番イケメンでしたね^^
その前にご紹介した人たちは、jumjingさんの想像とはちよっと違っていたみたいですが(笑)、みんないい人たちで、おもしろい話が聞けました。
旅の収穫をこれから形にしなければいけませんね。


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